モンスター・トーナメント【クソ映画】
どうもマッハ人生です。
今回のはずごいぞ!モンスター・トーナメントとかいうプロレス映画の紹介です。
勝手に戦え!
制作年:2011
監督・製作・脚本:ジェシー・T・クック
製作:マット・ウィーレ、ジョン・ゲデス
原題:「Monster Brawl」
タイトルとパッケージですべてわかります。
モンスターどもによるプロレスです。
これがやりたかったんだ!だからどうしたっていう。(以下ネタバレ)
(あらすじ)
過去の遺物として忘れ去られてしまったモンスターたちが、世界最強のモンスターを決める格闘イベント「モンスター・トーナメント」のために集められる。ミイラ男、レディ・バンパイア、フランケンシュタイン、ゾンビマン、サイクロプス、ウィッチ・ビッチ、スワンプ・ガット、そしてオオカミ男の8体がリングに上がり、どちらかが再起不能になるまで時間無制限、ギブアップなしの究極のデスマッチを繰り広げる。(映画.comより)
詳細は省きますが、頭のおかしい奴がモンスター同士のプロレスを見たかったから呼んだよ!って感じです。それ以外の説明はいらないでしょう。
登場するのは全部で8人(体?)
冥界の鍛冶屋、サイクロプス
かわいそうな魔女、ウィッチビッチ
美術館から逃げてきた、ミイラ男
不死の王、レディヴァンパイア
復讐に燃える同族嫌悪、ワーウルフ(狼男)
沼臭くてドロドロ、スワンプガット
自主性ゼロ、ゾンビマン
これらの面々が夜の墓場の特設リングで戦います。何故?なんのために?
ところで皆さんは「駿河城御前試合」という小説をご存じだろうか。
「シグルイ」と言った方が分かりやすいかもしれない。南条範夫によるその漫画の原作である。狂気に陥った徳川忠長が真剣を用いた御前試合を開き、因縁浅からぬ剣士たちがそこで名の通り死闘を繰り広げそして命を散らず無残な物語である。
名作「駿河城御前試合」よろしく、それぞれのモンスターたちの背負う過去や悲しみを試合前の回想が明らかに、そして死闘をより凄惨なものに飾り立てるのである……。
冥界の鍛冶屋サイクロプスはある日、このトーナメントの招待状を受け取る。ハーデスとの契約によって視力と引き換えに未来が見えるようになったサイクロプスは、その手紙に運命を感じる。この試合に勝利し、そして冥界の王ハーデスを打ち倒すと決心した…。
醜い魔女は村ののけ者だった。理不尽な暴力、罵詈雑言によって虐げられ、長年みじめな思いをしてきた。そんなある日、奇妙な男が彼女を訪ねてくる。モンスタートーナメントで勝利を収め、村の奴らを見返してやろう。お前にはその才能がある。その男の言葉を信じ、訓練を積んだ彼女は村のならず者を打ち倒す。そしてウィッチビッチを名乗りモンスタートーナメントに臨む…。
両者に因縁こそないものの、それぞれには勝たねばならぬ理由があった。
己のため、そして未来のために。
そして死闘の火蓋が切って落とされた……。
始まったのは、わりと普通にプロレス。
ウィッチビッチがボディを狙う。サイクロプスのサッカーボールキック。
言ってしまえば両方ともヒールみたいな戦い方するもんで、完全に泥試合。
ウィッチビッチがセコンドから何か瓶みたいなものを受け取ったから何かしら魔術でも使うのかと思ったら、普通に毒霧吹くだけで解説も「おーっとこれは屈辱的!」って。なんだこれプロレスか。プロレスでしたねそういえば。うん、でもさ…。
流れでレフェリーが死にながらも試合が続き、ウィッチビッチが押してこのまま勝利と思ったところで、
「サイクロプスのレーザーだ!!」
そりゃもう笑うしかない。
結局、顔面が焼けただれて魔女の負け。ついでにセコンドの男も頭が飛んで死亡。
この映画、ゴア描写はちゃんと力入れてるから苦手な人は苦手かもしれません。おいらがヒェッて言うレベルなので、そこまででもないかもしれませんが。
続く第二試合はレディヴァンパイア対ミイラ男。
一見なんの因縁もなさそうに見える彼らが、一体何故戦わねばならぬのか……。
ペンシルバニアの穢れた地。そこに佇む廃屋を、一人の男が訪れる。
彼は屋内に足を踏み入れ、その廃屋の主人を探す。目の前に現れたのは、青白い顔をした女。手に持ったグラスは、赤黒い液体で満たされている。そう、彼女こそが「吸血鬼」「不死の王」と呼ばれるレディヴァンパイアであった。男は懐から取り出した拳銃でヴァンパイアの胸を穿つ。が、不死の王たるレディヴァンパイアはその程度で斃れるはずがなく、男は返り討ちに遭い命からがら逃げていくのだった…。
ニューヨークのメトロポリタン美術館。ある夜厳重に保管されていた棺から突如としてミイラ男が復活する。作業員一人を殺害し、謎のミイラ男は行方をくらますのであった。そう、モンスタートーナメントを目指して……。
うん、ごめん、なかったね因縁。
それどころか戦う理由とかもそんなになかったね。
どうしたの君ら?
そんなこんなで始まった試合ですが、やっぱり泥試合。
結局レディヴァンパイアが太陽の力で顔を焼かれながらもミイラ男の心臓を貫いて勝利するんだけども、なんなの女性は顔を焼かれなきゃいけないの?この映画。なんか実績解禁されるの?それならまずそのモンスターらしい試合をするっていうのやってほしかったな?
この後もワーウルフ対スワンプガット、ゾンビ対フランケンシュタイン、決勝のワーウルフ対フランケンシュタインと続くんですが、合間合間の自己紹介やら意気込みとかがけっこう尺ある上にどんどんどうでもよくなってかなりダレる。そして肝心の試合もどんどんストロングスタイルのやぼったーい感じになっていって、それも飽きてくる。
状況が大変わりすることもなくなんとなく試合が進んでいくんですが、書く方も読む方も得しないことになるのでここらへんで実況および解説は終わりにします。
オチというか、終盤のとっちらかり具合は正直笑えました。まぁそうなるよねー!みたいな。
総評「力こそパワー!(出オチも含めて)」
もうタイトルとパッケージから読み取れることがすべてなんですよこの映画。でもせっかくモンスター出してるのに試合はとにかくただの肉弾戦で、モンスターだからこそって描写が弱すぎる。ゴア描写は結構力入れてるみたいなんで違和感なくグロいんですけれども、好きな人にとっちゃ物足りない苦手な人にとっちゃ怖いって感じ。そして何より「なんのために戦うのか」という、プロレスに必要なドラマがそこにない。
一応フォローしておくと、各モンスターの動きはちゃんとプロレスでした。素人がポコスカ殴り合うのとは違う、キレや迫力のあるアクションです。なんでもモンスター役の方たちは本当にプロレスラーの方を起用したとのこと。だからこそ、だからこそもうちょいなんとかならんかったかなぁという悔しさが残ります。単なる一発ネタで終わらせるには勿体ない題材です。
どういう風にしたら面白くなるかって?そうですね……。
結論:シグルイを読もう