しょんぼり映画村

マッハ人生の見た映画の記録、または負の遺産。

リンカーンVSゾンビ【迂闊で無慈悲な腐れ外道】

掴みの文章ってなんか統一した方がいいんですかね、どうも僕です。

Amazon欲しいものリストに映画を適当にぶち込んでいたら友人から「リンカーンVSゾンビ」を送りつけられ、そのせいで家族にネットでの活動名義がバレたマッハ人生です。そんな事情はみなさん知ったこっちゃないと思うのでさっさと始めます。

リンカーンVSゾンビ

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原題:Abraham Lincoln vs. Zombies(2012年)

監督・脚本:リチャード・シェンクマン

脚本:カール・ハーシュ/J・ローレン・プロクター

製作:デヴィット・マイケル・ラット(アサイラム

 

第16代アメリカ合衆国大統領、国を二分した南北戦争を治め、アメリカに正義をもたらした男、エイブラハム・リンカーン。偉大な大統領には、知られざる秘密があったー

 

ということで、史実に基づいたお話なのでネタバレもクソもないですよね!史実について話をしたら「真田丸のネタバレやめてください!」って言った人がいるそうなのでちょっとアレ(※頭がかわいそうだなって思うん)ですが、気にせず始めます!

 

舞台は南北戦争時代のアメリカ、ゲティスバーグの戦いで勝利したものの多くの犠牲者が出てしまった。リンカーンは戦死者たちを弔うため危険を承知でゲティスバーグでの演説に臨もうとしていた。そんな中、激戦区から帰還した兵士の様子がどうもおかしいらしい。原因不明の病気か何かのようだとの報告であったが、リンカーンにはその原因に心当たりがあった。現場主義の合衆国大統領は帰還したその兵士を見て確信し、12人のシークレットサービスを引き連れて自ら戦地へ赴くのであった――。と。ここまでおおむね史実通りですね。タイトルのカタカナが読める賢い人はもうお気づきかと思いますが、そうです。ゾンビです。

これからも史実通りの展開が続くので、所々端折りながら行きます。

 

この映画のメイン舞台となる砦は現在南軍の兵士が立てこもっており、大統領率いる部隊はこの砦の奪還、及びゾンビの殲滅を目的に進撃していきます。意味深長なセリフだけつぶやいて肝心のゾンビについてやゾンビの倒し方について何も説明しないのも、そのせいでゾンビに襲われ感染した兵士が無慈悲なリンカーンによって介錯されたのも、それをきっかけに部隊に不信感が芽生え始めるのも、最近の研究で分かってきた新事実を忠実に再現していますね。

やはり人の上に立つ人間はこういった冷血さを持ち合わせていないと務まらないのでしょうね。しかし偉大な父リンカーン像はそんなことでは傷つきません。なぜならば

超かっこいいから

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皆さまエイブラハム・リンカーンがとても偉大な人物であるとご存知かと思いますが、ゾンビとの戦闘でこそその魅力が遺憾なく発揮されています。

リンカーンのメイン武器はそう、ご存じ「

 

それをこのように

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いよっ!大統領!

 

奴隷解放の鎌」「人民の人民による人民のための鎌」などと呼ばれることもあるこの鎌でゾンビたちをバッタバッタとなぎ倒していく姿はまさに「偉大な解放者」の名にふさわしいでしょう。超かっこいいので途中偶然出会った元カノともいい雰囲気になります。

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ここで今作のゾンビについて触れておきましょう。

基本的には「理性を失っている」「人を襲って食う」「噛まれると感染する」というよくある設定なんですが、大きく異なるのは「音を立てて起こさなければ基本カカシ」という点です。

ぼうっと突っ立ってるゾンビを大きな鎌でなぎ倒していくシーンは、なんというかこう、人道に反している絵面のような気もしますが、それもすべてはアメリカ合衆国のため、南北統一のためなので仕方がないです。

 

 

 

ところが南軍の敗北主義者はそれを理解せず、偉大なるリンカーンに協力することを拒みます。

そのせいでリンカーン達は苦戦を強いられ、ある部下はよそ見をしていて死に、ある部下は高いところから落ちて足をくじいて死に、またある部下はカッコつけてとびかかったらコケて死に、次々とその尊い命を落としていきます。あろうことか、濡れ場もしくは死ぬために登場したかのようなリンカーンの元カノも、ゾンビの血を浴びて感染してしまいます。

実はシークレットサービスの中に南軍側のスパイが紛れ込んでおり、持ち前の演技力で諜報活動を続けるも特に何もしないんですが、それもまた史実の通りですね。

 

その後南軍の敗北主義者が改心し、両軍が協力し合って砦を爆破。ゾンビたちを全滅させます。この戦いで多くの犠牲者を出し、また無慈悲に見殺しにしてきたリンカーン大統領は、かの有名な「ゲティスバーグ演説」を行います。人民のなんちゃらってやつですね。

めでたしめでたし。

 

ところで皆さまはリンカーンの最期をご存知でしょうか。

公務やプライベートに疲れ果てた大統領は、夫人とともに観劇に訪れる。そこでジョン・ウィルクス・ブースの凶弾によって暗殺されてしまう。

実はその事実の陰には、迂闊なリンカーンのある行動があったのです。あまりにも悲しい結末は、是非本編を観てください。きっとあなたは「何ちょっといい話みたいに締めようとしてんだこの野郎」と思うに違いありません……。

 

このようにおおむね史実通りに物語は進んでいきます。

聖書が史実だというのと同じくらい信憑性の高い話です。黙れ。

 

総評としては「リンカーン大統領カッケェ」映画です。

人物としては無慈悲な腐れ外道、その上迂闊すぎて上司にしたくないタイプのように描かれている(おそらく実際もそうだったんでしょうね☆)んですが、解放の鎌でバッタバッタとゾンビどもをなぎ倒していくシーンは観ていて楽しかったです。無駄に尺を稼ぐような演出もなく、最初から最後までちゃんと人が死に見どころもツッコミどころもあって最後まで飽きずに観ることができたので、大作の便乗映画というクソまみれの看板からは考えられないくらい面白い映画でした。

 

最後に、この映画を贈ってくれた友人(タチやん https://twitter.com/mofday )にこの場を借りて感謝を。お前ゼッテェ許さんからな覚えとけよ。

 

リンカーンVSゾンビ [DVD]

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