トランスバトラー【B級オススメ映画】
どうもマッハ人生です。
今回紹介するのはトランスフォーマー便乗商法の被害者、トランスバトラーです。
制作年:2007年
原題:RESIKLO
監督:マーク・A・レイス
主演:ラモン・ポン・レビラ・Jr
ディンドン・ダンテス
ジェニーリン・メルカド
ロイ・ヴィンソン
先に行っておくとこの作品、トランスフォーマーとは全く関係ありません。
オプティマスなんて出てきませんし、そもそもトランスフォームしません。
じゃあDVDのジャケットに出てきてるオプティマスっぽいロボットは何者なのか?
出てこない、が正解です。
出てこないので気にせずに見ていきましょう。(以下ネタバレ含む)
あらすじ
2021年。地球は謎のエイリアン“バラン”の侵略を受けた。敵の圧倒的な科学力の前に、正規軍は壊滅。歴戦の勇士クリスバルに指揮されたレジスタンスたちは解放区に潜み抵抗を続けていた。そして、敵のロボット軍団に対抗するため、彼らは廃材を利用した戦闘ロボットを開発する…。(Oriconデータベースより)
なぜかトランスフォーマーのまがいものとして輸入されてしまったがために便乗作品のクソ映画と汚名をかぶってしまった本作。原題である「RESIKLO」は本国フィリピンの言葉で「リサイクル」の意味。廃材を用いたロボットでエイリアンと戦う!そんな映画です。なのにどうして。。
これもすべてアルバトロスってやつの仕業なんだ。
本作の主人公のクリスバルはかつて正規軍でバランと戦っていたが、その戦いの中で妻と子供を亡くしてしまう。その辺りを物語るシーンがとても良くできていて、冒頭から泣かせにかかってくる。主人公が小太りのオッサンじゃなかったら、きっと泣いちゃってたんじゃないかな。。。それくらいにいい。
その後世界観設定などを特に説明することもなく次々とシーンが進んでいくんですけれども、「バラン…わるもの」「モタノ…元人間のわるもの」程度の理解で大丈夫です。細かい設定とか覚えても無意味です。この映画、重要なのはそこじゃない。
この映画の見どころは、ズバリ随所に見られる「頑張った感」です。
前半、バランたちに追われる子供たちを救出すべくクリスバルやその仲間たちが戦うシーンがあるんですが、バイクを駈り銃を持つ相手にスケボーやマウンテンバイクで立ち向かい、バッタバッタと倒していくシーンはすごく頑張ったポイントが高いです。小太りなオッサンが若者に負けじとアクションに挑むシーンなんかも頑張ったポイント高めですね。
いや、冗談じゃなく、この映画でエンターテイメントをやろう!っていう気合いが込められていてとてもいいんですよ。ただ、そうやって見せ場重視で構成していったんでしょうね、キャラクターの動機が無軌道すぎたり侵略者バランの目的が意味不明なことになってたりします。
あと、中盤まるで消化義務でもあるかのように挟まれたラブコメシーンがやけに冗長に続きます。作品の対象を広く取るために必要だったんだろうなぁ、と受け止める広い心が必要です。ほら、今の日本映画だってそうじゃないですか。原作にない恋愛要素とか入れてさ。
中盤の中だるみ(主にラブいシーン)こそあれ、そしてアラこそあれ全編に渡って王道展開要素がちりばめられていて、案外飽きることなく通して見ることができました。これってあの映画のパロディかな?もしかしなくてもこれあの映画でしょ!みたいなシーンがいくつかあり、統一感こそないものの各シーンごとに光るものがあります。みんなでツッコミ入れながら見ると楽しいと思います。
総評としては、GW公開のスーパー戦隊シリーズ劇場版とパワーレンジャーの出来のわるいやつって感じです。えぇ、出来は悪いです。それは否めません。ただ、低予算映画にありがちな「この映画一体なにがしたかったの?」という憤りを感じなかったのは「エンターテイメントをやろう!」という想いを確かに受け取れたからだと思います。ラストバトルのシーンで何故かヘロヘロ踊ってる奴もいたけども。きっと本国フィリピンでは超大作というか、大衆に好かれる作品なんだろうなって想像しちゃうと、馬鹿にしちゃいけないような気持にもなってしまいます。
この映画、もしも暇があれば見てほしいなっていう思いがあるのでストーリーや物語の核心に触れることはしませんでした。ただのB級映画、便乗作品と呼ぶにはもったいない熱量があります。ぜひその熱量に触れてみてください。
ちなみにおいらは近所のホームセンターで500円で買いました。
買いました。