しょんぼり映画村

マッハ人生の見た映画の記録、または負の遺産。

【番外編】ポプテピピックから考える「クソ」の定義

ザ・レイド GOKUDOを観ろ(富山の方言でどうもこんにちわ僕です)

 

 ところで「私サバサバしてるからー」っていう女ほど女々しいと思いませんか?ええクソですよね。では自ら「クソアニメ」と名乗るアニメについてはどう思いますか?今回はアニメ版から「クソ」の定義について考えてみたいと思います。全員が第一話をすでに観た前提で書くからな。ニコニコ動画でクソほど見逃し配信やってるし何なら一話は公式が上げてるから観ろ。ごめん観なくてもいいや。

 

クソ映画とは?

 このブログがどの層にリーチしてるのかよくわかりませんがとりあえず「北京原人 ~Who Are You?~」くらいは義務教育課程で履修してますよね。この映画は当時発見され話題になっていた北京原人をモチーフに家族愛やらなんやらを描いたヒューマンドラマらしいです。らしいですってのはそれが表現しきれていないからです。そしてその上クッソつまんない仕上がりです。語ると長いので割愛しますが、要は「表現したかったものが様々な要因(※1)によって表現しきれず、また芸術やエンタメとしても成立していない」映画です。シナリオが面白くない、胸糞悪い等の理由からクソ映画認定される方もまれにおられますが、製作陣の狙いがエンタメではない場合もありますのでこの定義からはクソ映画と呼ぶことはできません(問題提起映画、ナンセンス映画等)。最近の映画で言うと「スーサイドスクワッド(※2)」がまさにクソ映画にあたるかと思います。これも語ると長いの割愛します。古のアニメで言うと「-MUSASHI- GUN道(※3)」がこれですね。原作者のモンキー・パンチに謝れ。

 

君はバカ映画を知っているか?

 この世には名作と呼ばれる映画がたくさんあります。それらをすべて観るのには人生では足りないのではないかと思えるほどに。そのような作品は多くの人を感動させ、影響を与え、また新たな作品を生み出すモチベーションにもなります。たとえばゾンビ映画の金字塔「ドーン・オブ・ザ・デッド」から「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「インド・オブ・ザ・デッド」が、マーヴェル作品群から「メタルマン」が、RADWIMPSのPV最高傑作として名高い「君の名は。」から「君の縄。」が生まれたように。……そう、そういう奴らですバカ映画とは。名作・有名映画の設定やタイトルなんかをパロディし、お笑い方向にステータスを全振りした作品等がバカ映画と呼べます。もちろんパロディを含まずにお笑い方向に振り切った作品もたくさんありますし、いろんな映画からのパロディを詰め込みすぎてよくわからなくなってしまった作品(最終絶叫計画等)もあります。往々にして低予算な作品が多いですが、それはバカ映画の定義には含まれません。クソ映画の定義は「表現したかったものが様々な要因によって表現しきれず、また芸術やエンタメとしても成立していない」としていましたね。バカ映画は製作陣が「お笑いをやる、パロディをやる」と明確な狙いを持っていますので、それが達成されていれば俳優の演技だとかCGの出来不出来、シナリオの雑さなんて問題ではありません。笑いを取れれば勝ちです。

 

 

アニメ版

 賢明な方はもうお分かりですね。アニメ版ポプテピピック製作陣は真っ当にエンタメをやろうとしていますか?先行上映と本放送の声優を変える、なんならAパートとBパートでも声優が違う、もっと言えばAパートとBパートの違いは(ほぼ)声優だけで同じことをやる、冒頭から突っ込みづらいパロディネタの嵐、AC部の起用……。最初っからこちらの斜め上鋭角からこれでもかってくらいに斬新な演出をぶつけてきています。というか原作4コマからしてそうです。汲み取り式トイレのマンホールを開けて「くせぇ!」って思うのと同じくらい当然です。しかし我々はそれを汲み取り式トイレのマンホールとわかって開けたのです。「やっぱり臭かったわ」と言うその顔はきっと満足しきったものだったでしょう……。自ら「クソ」を名乗るアニメです、クソと呼ばれるために思案し出来上がったのがあの第一話です。その「クソ」は賛辞であり、製作陣の狙い通りなのです。分類するならば「クソアニメ」ではなく「バカアニメ」でしょう。某ダイナミックなアニメと対比して「養殖クソアニメ」と呼ばれるのも納得ですが、上記の通り今回の定義からはクソとは呼べません。「まぢ病み。。。」つってる女は単なるかまってちゃんだ、みたいな話です。

 

 

 

救いようのないクソ映画について

ここで「ポプテピピックはクソアニメじゃないよ!よかったね!」と締めてしまってもいいのですが、とある不安が僕の喉元を撫でてきます。先ほどクソ映画として紹介した「スーサイドスクワッド」ですが、なんだかんだでいい点はあります。ハーレイクインがエロいウィル・スミスを始め俳優たちの演技、ハリウッド技術・予算によるCGやエフェクト、エンチャントレスがエロい、何より公開前からも言われていた秀逸なキャラクターデザイン……。それらは製作陣が「がんばっていいものを作ろう」とした結果です。では、初めから真面目に作る気がなかった映画は?そして、全力で笑いに振り切った結果、とんでもない大滑りをしたら……?

 

この世には、本当に救いようのない映画があります。あるんです。目を背けるな。

パロディで笑いを取ろうとした結果、努力の方向を間違えてしまった結果、何もかもが足りなかった結果、企画の段階でクソ炊き込みご飯になることが明白でヤケになった結果、便所で誰かが壁に擦り付けて乾ききったクソのような、学校祭で陰キャがやる漫談のような、「絵は描けないけど小説なら書ける」と胸を張る中学生のポエムノートのような、全く笑えもしない映画が、この世には存在するんです。

幸運にも、ポプテピピック第一話は斜め上鋭角からの消えるし曲がるし時々止まる魔球が危ういところでストライクに入りました(要出展)(ソースはオタフク(※4))。しかし魔球というものは隠し玉であるからこそ効果があるもの。このままAパートとBパートを声優だけ変えて繰り返す、なんてことをずっと続けても、驚きや笑いはないでしょう。(エンドレスエイト?なんの話だ?)2話以降、どのような演出でエンタメをやっていくのか?楽しみでもあり、不安でもあります。

 

あぁ、そういえば。

どんなに面白くない、みんなで持ち寄ったクソを集めてできたデッケェクソみたいな映画やアニメに対する評価でも、なんとかよいことみつけカードを埋めるために書かれるみたいな言葉があります。それを紹介してこの記事を締めようと思います。

 

「音楽はよかった」

 

 

 

 

(※1)予算や製作期間、演者やスタッフの技術、才能の不足、また製作委員会等上部からの茶々入れ等。企画の段階でクソ煮込みみたいなものを任される監督もいて本当に大変だと思います。

(※2)冒頭のオリジン解説動画からもうダルく、ウィル・スミスがウィル・スミスで、悪党どものくせに安っぽい共感で団結しちゃって素材が台無しになり、ハーレクインのデザインとエンチャントレスの変身シーンがエロいこと以外印象に残らない映画。公開前の期待との落差からショックを受ける人が大量発生した(要出展)

(※3)うおっ、まぶし!全26話の中に総集編が4回入る、背景が実写の上に切れ目がある、シーンごとに主人公たちの顔が変わる、エフェクトを入れ忘れる等々多くの粗相をやらかした迷作。すごいだろ、これ。ハルヒ1期と同時期なんだぜ。。。

(※4)笑いを取ろうとして盛大に滑ることの実践例。

リンカーンVSゾンビ【迂闊で無慈悲な腐れ外道】

掴みの文章ってなんか統一した方がいいんですかね、どうも僕です。

Amazon欲しいものリストに映画を適当にぶち込んでいたら友人から「リンカーンVSゾンビ」を送りつけられ、そのせいで家族にネットでの活動名義がバレたマッハ人生です。そんな事情はみなさん知ったこっちゃないと思うのでさっさと始めます。

リンカーンVSゾンビ

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原題:Abraham Lincoln vs. Zombies(2012年)

監督・脚本:リチャード・シェンクマン

脚本:カール・ハーシュ/J・ローレン・プロクター

製作:デヴィット・マイケル・ラット(アサイラム

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【実写版】銀魂【ごめんなさいしなさい】

どうも僕です。

鉄は熱いうちに打て、出る杭は打てということで早速レビューしていきます。

 

夏だ!祭りだ!

銀魂だ!

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youtu.be

銀魂(2017年 日本)

監督/脚本 :福田雄一

出演:小栗旬 菅田将暉 橋本環奈 等

製作:「銀魂」製作委員会 制作:プラスディー

配給:ワーナー・ブラザーズ

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【禅】アルマゲドン2008【虚無】

どうもマッハ人生です。

前回はヒット作便乗作品B級映画のお手本ともいえる「アルマゲドン2007」のレビューをしました。詳細は省きますがとてもいい映画でしたね。観ましたよね?

今回は少し趣向を変えて、方向性の違う映画をレビューしていこうと思います。

 

それではどうぞ。

アルマゲドン2008です。

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(c)Red Arrow International

 

原題:Futureshock: Comet

公開:2007年
監督:キース・ボーク
脚本:マット・ハーヴェイ、ドミニク・モーガン

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